飛騨の家屋

豪雪地帯で育まれた飛騨高山独自の日本家屋

飛騨高山の家屋は独特の特徴を持っています。それは豪雪地帯がゆえに、重みのある雪から住まいと命をどう守るかの歴史であり工夫でありました。何百年もかけて、地元の大工やあらゆる職人が知恵を重ねてつくりだしたものです。しかし、そこには堅牢であるということだけでなく、装飾性の高さが見てとれます。丈夫であるという実用性に加えて、見た目の美しさにもこだわった職人技がありました。これこそ、飛騨高山の誇りであり、ほかの地域の方々の眼には憧憬となって映る技でしょう。

屋根は低く、軒が長い家屋

飛騨高山の伝統的な家屋は、軒の出が長いことが挙げられます。軒を深くして雨から住まいを守り、その屋根の重さに耐えられるように建物が低くなり、雁用(がんよう)とよばれる造りで支えています。この軒の長さと雁用は、高山の中心街にある観光地・三之町あたりにも見られる光景で、太く黒い柱や壁とともに、高山の重厚なイメージとなっているでしょう。
この深い軒は、実は日本の気候全般に適しており、その特性を現代の住宅にも生かすことができます。太陽高度の高い夏季は直射日光を遮り、太陽高度の低い冬期は暖かい陽の光が室内に長く入り込みます。

意匠性

雲の彫刻は、用と美の集大成

屋根を支える軒下の部材に雲の彫刻がほどこされているのを見たことがあるでしょう。あの雲の彫刻は、屋根が長く出ている飛騨高山の伝統的な日本家屋にはほとんど入れられており、屋根を支えるという実用性に装飾性をもたらしました。おそらく飛騨高山の家屋のいちばんの特徴と言えるのではないでしょうか。もともとは社寺で用いられた技術でしたが、大旦那の家を新築する時などに徐々に使われるようになり、今では一般住宅でも見られる彫物です。昔のスケッチ帖を参考にしながら、今も昔も、大工がフリーハンドで物件ごとにスケッチし、型を制作しています。雲のほかに、唐草や波などの模様があり、実用性と装飾性がきちんとバランスがとれるように作られています。この用と美の両方を持ち合わせた代表的な技術は現代の住宅に取り入れることができますが、今の視点で眺めてみると、それは古い技術というよりも、日本的なモダニズムと映るのではないでしょうか。

高山格子から見えるものとは

高山格子と呼ばれる格子があります。表通りに面したところに設置され、取り外しが可能な格子で、お祭りなどの催しがある時には取り外すことができます。高山格子は、防犯の用途もあり、外からは中が見えにくく、中からは外が見えやすい構造になっています。それでいて、見た目の美しさも求められ、さらには部屋の中から見ると涼しげに感じるというメリットもあります。ここにも用と美を兼ね備えた意匠性を見てとることができます。

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