移築先で組み上げられる古民家。古民家はサイズも様々です。
こんにちは(^_^)
当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
「古民家に住んでみたい」 「古材が見える家で、ゆったりとした時間を過ごしたい」
そんな想いをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
特に、古民家ならではの大きな梁や、長い年月を経た古材の風合いに魅力を感じている方にとって、 古民家移築という選択は、とっても興味深いものだと思います。
一方で、
- 古民家移築って、どれくらい費用がかかるの?
- 本当に実現できるの?
- 新築やリノベーションとどう違うの?
そういった疑問や不安をお持ちの方も多いはずです。
このブログでは、実際に10棟以上の古民家移築をしてきた立場から、 現場のリアルな情報をできるだけ分かりやすくお伝えしています。
ご検討中の方の参考になれば幸いです(^_^)
古民家移築の費用について
今回は「費用」についてのお話です。
本物の古民家を移築して住んでみたいと考えたとき、 やはり一番気になるのは「実際にどれくらい費用がかかるのか」という点ではないでしょうか。
「手も足も出ないほど高額になるんじゃないかな...」 「思っているより現実的な金額なのかな...」 「古民家移築ならではの費用ってあるのかな...」
新築住宅や分譲住宅とは違い、 古民家移築は事例も少なく、身の周りで聞ける人も少なく、費用感がとてもイメージしにくい分野だと思います。
この記事では、弊社がこれまでに手掛けてきた移築工事の実例をもとに、 現場の感覚としてのリアルな費用感を、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます(^_^)
古民家移築の費用目安
では早速、結論からお話しします。
古民家移築にかかる費用の目安は、 「新築の注文住宅 × 1.3倍程度」です。
つまり、一般的な新築の注文住宅と比べて、 3割ほど高くなるケースが多い
例えば、新築住宅の坪単価を70万円と仮定すると、 60坪の住宅で約4,200万円となります。
さらに、付帯工事や諸経費を含めて、 総額でおよそ4,800万円~5,000万円前後になると仮定します。
では、同じ60坪の古民家を移築する場合はどうかというと...
部材の状態が良く、比較的スムーズに進んだとしても 約6,000万円前後。
部材の傷みが激しく修繕が多い場合や、遠方への移築となる場合は、 さらに費用がかかりやすくなります。
これが、これまでの移築事例をもとに私がお伝えできるリアルな費用感です。
今どきの住宅では見られない曲がった梁の数々。職人技が光ります。
古民家移築の費用内訳
では、もう少し掘り下げて、費用の内訳に迫っていきますね!
まず、分かりやすく全体の費用を4つに分けてみます。
- ① 古民家の取得費用
- ② 解体・修繕・運搬関係の費用
- ③ 本体工事の費用
- ④ 付帯費用・諸経費
① 古民家の取得費用
移築を行うためには、もととなる古民家が必要です。
ここの費用については、申し訳ありませんがピンキリという他ありません...。歯切れよくお伝えしたいのですが、すみません...(T_T)
というのも、タダで譲ってもらえるパターンもありますし、1,000万近い費用で取得するパターンもあるからです。
古民家との出会いは「運命」と言われることもありますが、まさにそうだと思います。
ですので、取得費用については私からお話することは控えます。
ちなみに、古民家をお探しの方はご相談ください(^-^)
提携している古民家専門の不動産屋さんを紹介させていただきます!
② 解体・修繕・運搬関係の費用
古民家移築が一般的な新築ともっとも違う部分がこれでしょう!
この過程は新築には必要ないものですから、まるまるプラスαでかかってくる費用となります。
では、一体どれくらいの費用感なのでしょうか?
弊社がこれまでに行った移築物件を例にあげてみます。
| 項目 | 物件A | 物件B | 物件C | 物件D |
|---|---|---|---|---|
| 条件・状態 |
床面積 / 約140坪 解体条件 / △ 状態 / △ 遠方移築 |
床面積 / 約70坪 解体条件 / ✖ 状態 / ✖ 遠方移築 |
床面積 / 約35坪 解体条件 / 〇 状態 / 〇 近郊移築 |
床面積 / 約90坪 解体条件 / 〇 状態 / ✖ 近郊移築 |
| 解体費用 | 700万円 | 600万円 | 250万円 | 600万円 |
| 修繕・刻み直し費用 | 700万円 | 600万円 | 200万円 | 400万円 |
| 運搬費 | 200万円 | 150万円 | 30万円 | 80万円 |
| 合計費用 | 1,600万円 | 1,350万円 | 480万円 | 1,080万円 |
(注)スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧ください。
物件によって大きな差がありますよね。
よく「古民家移築の解体は坪〇万円」や「相場は〇百万円」と書かれたものを目にしますが、実際には物件によって様々です。実際の物件を確認してみないと、概算ですら判断が難しいものです。
とはいえ、費用感を掴んでいただく為に、この記事を書いていますので、少しでも参考にしていただけるための説明をしていきます!
費用を大きく左右するのは以下の4つ。
- ✓ 古民家のサイズ
- ✓ 解体条件
- ✓ 構造材の状態
- ✓ 移築先との距離
✓ 古民家のサイズ
これはもう単純に「大きいのか、小さいのか」ということです。
100坪を超えるような大型古民家ですと、作業費、クレーンの費用、産廃処分費、仮設足場費用など...、いろいろな面で費用がかかりやすくなります。
かえって、30坪サイズの小さな古民家や板倉ですと、場合によっては4tユニックで事足りたり、仮設足場が不要だったりと、費用を抑えやすくなります。
✓ 解体条件
古民家が建っている立地条件や周辺環境のことです。
山奥の一軒家だったりすると、建物の傍までクレーンやトラックが入らないこともあります。そのため解体をするための造成が必要だったり、13tクレーンでは届かず、25tクレーンを使う必要もでてきます。
弊社の過去の事例では、解体するための造成でダンプ50車の土砂を運んだこともあります。
✓ 構造材の状態
構造材がどのくらい傷んでいるか、ということです。
どのような古民家でも、土台や柱の根元は傷んでいることが多いです。ここまでは想定内です。
しかし雨漏りしていたりすると、大切な牛梁や小屋組み、梁桁などが傷んでいることがあります。
また、大規模なリフォームがしてある場合、柱や梁が途中で切られていたり、柱が抜かれていたりするので、修繕や刻み直しに費用がかかりやすくなります。
✓ 移築先との距離
部材の運搬費に大きく影響します。
大型古民家だと大型トラックに4車~5車。小型古民家だと1車か2車が目安となります。
遠方になればなるほど、運搬費がかかります。最近は燃料も高くなっていますから、移築先との距離は費用に大きく影響します。
以上が、古民家移築ならではの「解体・修繕・運搬関係」の費用感です(^_^)
大型トラックに積まれた古材の山。飛騨から遠方へ運ばれる。
関連記事:古民家解体の流れ|古民家移築のための構造躯体バラシ作業
関連記事:古民家移築の「番付」とは?解体時に部材の位置を記録する方法
③ 本体工事の費用
よく「坪単価」で表される部分です。
建物本体の費用は仕様によって大きく変わりますが、過去の案件をもとにすると、
「注文住宅と同じくらい」といった感じです。
その理由として、
| 古民家の方が安くなりやすい要素 | 古民家の方が高くなりやすい要素 |
|---|---|
| ・柱、梁などの構造材の購入を大幅に削減できる | ・構造を組み上げるまでに手間がかかる |
| ・開放的な間取りが多いので、間仕切りが少ない | ・職人仕事(大工、左官など)に手間がかかる |
| ・古建具をそのまま再利用できる場合も多い |
(注)スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧ください。
仕様やお客様のこだわりによって様々ですが、上のような傾向があります。
ポイントとして、もともとの間取りを大きく変更したり、建物のかたちを変えたりする場合は、作業量や建材量が増え、費用がかかりやすくなります。かえって、従来の間取りをなるべく活かし、内装だけをきれいに整える感じですと、費用を抑えやすくなります。
移築後のプランを考える際には、もともとの間取りに生活イメージを落とし込んでみて、間取りの変更は、水廻りなどの必要最小限にすることが費用を抑えるためのポイントです。
屋根の形状や勾配も、特別な理由がない限り、変えないことをおすすめします。
設計時には、どういったことに費用がかかるのかを担当者としっかり擦り合わせながら進めることが大切です。
古民家の特性を深く理解し、その場である程度の費用感を計算できる設計者にお願いするのもポイントだと思います(^_^)
移築先での組み立て。手間はかかりますが新築にはない雰囲気があります。
関連記事:古民家移築の建舞(上棟)とは?再建工事の流れとポイント
関連記事:古民家移築の梁組の美しさ|古材と新材が織りなす木組みの魅力
④ 付帯費用・諸経費
その他に必要となる費用のことです。
例えば、仮設足場、確認申請費用、地盤改良費など、目には見えにくいですが、家を建てるために必ず必要となってくる費用のことです。
これは、古民家移築でも新築住宅でも同じように必要となります。どちらかと言うと、古民家移築の方が付帯費用はかかりやすくなります。
例えば、
- ✓ 職人滞在費・出張経費
- ✓ 構造計算費
- ✓ 重機費用
✓ 職人滞在費・出張経費
古民家移築の場合、遠方へ移築するパターンが多く、その場合は、職人が滞在するためのアパート代、交通費、各種経費がかかります。
もちろん、近場への移築でしたら必要ありません。
✓ 構造計算費
古民家の多くは現代の在来工法とは異なり「伝統構法」で建てられており、そのままでは建築基準法をクリアできない可能性もあります。
なるべく古民家らしさを残しつつ、建物の強度も確保するために、構造計算が必要となります。※規模や建築場所、用途によって不要な場合もあります。
✓ 重機費用
一般的な新築住宅の場合、クレーンを使用した上棟作業は1~2日で行うことができます。古民家の場合、1週間~10日程度かかることが多く、クレーン代が多くかかりやすくなります。
また、10m近い大きな部材がある場合、クレーンやトラックも大きなものが必要となります。
このように付帯工事や各種経費は、目に見えにくいものだからこそ、把握し理解しておくことが大切です(^_^)
まとめ
今回は「古民家移築の費用は?」というテーマで書いてみました!
もちろんケースバイケースではありますが、冒頭に書いた
「古民家移築は新築の注文住宅の3割増しくらい」
は、参考にしていただけると思います(^_^)
それでも、やはり間違いないのはしっかりとお見積りをとることです。概算でもけっこうです!
この金額をどう捉えるか
ここまで読んでいただいて、 「やっぱり高いな...」と感じた方もいらっしゃると思います。
実際、古民家移築は安く建てるための方法ではありません。
ただ、私自身、これまでいくつもの古民家移築をさせていただいた中で感じるのは、 金額であらわせない価値があるということです。
例えば、
- その背景にある古民家のストーリー
- 新築では再現不可能な唯一無二の雰囲気
- 時間を積み重ねたことでしか出せない古材の風合い
家具に例えるなら「中古品ではなくヴィンテージ家具」。 車に例えるなら「中古車ではなくクラシックカー」。
一方で、 「費用をできるだけ抑えたい」という場合には、 古民家購入+リノベーションや、古民家風の新築という選択の方が向いているケースもあります。
ですので、
古民家移築は、 「費用」ではなく「価値」で選ぶもの
だと私は考えています。
もちろん費用もとっても大事なことですので、このあたりをどう感じるかによって、 古民家移築を検討されるのがベストかと思います。
相談するときに大切なポイント
相談するときに大切なポイントは4つ。
- ✓ 移築のもととなる古民家は決まっているか
- ✓ どこからどこへ移築するのか
- ✓ 移築後の建物のイメージ(用途、生活スタイル、サイズ感)
- ✓ おおかたの予算感
この辺りをできるだけ明確にしておくことが大切です。
また、古民家移築のような専門的なお仕事は、業者さん選びがとても大切です!
移築の経験豊富な業者さんにお願いすることで、蓄積されたノウハウをもとに効率的でムダの少ない仕事をしてくれます(^_^)
ムダなところに費用をかけず、こだわりポイントにしっかりと費用を使って、楽しみながら古民家移築を検討されることを願っています(^_^)
この記事を読んで、憧れの古民家移築に向けて少しでも理解を深めていただけたなら幸いです!
古民家移築のご相談について
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
古民家移築は、一つ一つ条件が大きく異なるため、 「自分の場合はいくらくらいかかるのか?」という点は、 実際に状況をお伺いしながらでないと、正確にはお答えできません。
とはいえ、
- まだ具体的に決まっていない
- なんとなく興味がある段階
- 費用感だけ知りたい
といったご相談をいただくことも多くあります。
私たちとしても、 まずは「古民家移築ってこんなもの」というところからお話できればと考えていますので、安心してお気軽にご相談ください(^_^)
関連記事:どんな古民家を選んだらいいの?~移築に合った古民家探し~
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古民家移築にご興味のある方へ
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