【現場ブログ】解体中の古民家がスケルトンに|ドローンで見る骨組み

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正面からドローンで横スライド撮影した解体中の古民家。内部が完全に通り抜けて見えるスケルトン状態です。

こんにちは!いもと建築です。

解体作業が進んでいる古民家の映像です。

現在、建物内部の造作(壁や床、天井など)をすべて取り払い、内部がきれいな骨組みだけの状態になりました。今回は正面からドローンを使ってスライドしながら撮影してみました。


古民家解体は「まず内部の造作から」が基本

古民家を解体する際、「屋根から順番に壊していくのかな?」と思われがちですが、実は違います。

移築や手壊しでの解体では、まず「内部の造作(畳、壁、天井、建具など)」から順番に解体・搬出していきます。内部造作の解体→屋根の解体→構造躯体のバラシ→整地という流れが基本です。

先に内部を何もないスケルトン状態にすることで、測量もし易いですし、なるべく柱や梁を雨で濡らさずに進めることができます。床については解体してしまうと、構造をバラすときに足場が悪くなってしまうため残しておきます。

ドローン動画で見える「古民家のたくましさ」

動画を見ていただくと、建物正面から奥の景色までがすーっと通り抜けて見ることができます。

壁がなくなったことで、家全体を支えている黒光りした太い柱や横架材(梁)がはっきりと見え、何十年もの間この重い屋根を支え続けてきた構造体としての力強さを実感できます。暗くて分かりにくいですが(汗)

このあとは、いよいよ屋根や骨組みの解体(バラシ作業)へと移っていきます!


【ミニQ&A】スケルトン解体について

Q. なぜ屋根を残して先に中を解体するのですか?
A. 屋根を残しておくことで、作業中の雨から大切な柱や梁を守る役割(雨よけ)にもなります。雨に濡れることで、仕口や継手に打ち込んである「クサビ」や「込み栓」が外れにくくなり大変なことになります。また、内部の廃材や古材を安全に分別して出しやすくするためでもあります。
Q. 内部にあった古い建具や道具はどうなるのですか?
A. 状態の良い障子や格子戸、レトロな金具などは丁寧に回収し、移築後の新しいお家で再利用したり、リメイクして活かすケースも多くあります。

まとめ:いよいよ構造躯体のバラシへ!

なかなか見ることができない「スケルトン状態の古民家」の様子をお届けしました。

先人の知恵が詰まったたくましい木組みを傷めないよう、この後の解体・刻み直し作業も職人総出で丁寧に進めてまいります。

次回の現場レポートもお楽しみに!

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【現場ブログ】築130年の古民家解体スタート!造作解体と土壁落とし

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内部の造作解体が進む築130年の古民家1階の様子

建具を取り外し、解体作業が始まった室内。壁が少しずつ無くなるにつれて、奥まで視線が抜けていきます。

こんにちは!いもと建築です。

先日現地調査をさせていただいた、築130年の大型古民家の解体作業がいよいよ本格的にスタートいたしました!

移築再生に向けた手壊し解体では、いきなり重機で壊すわけではなく、まずは建物内部の「造作解体(建具や畳の撤去、間仕切り壁などの解体)」から丁寧に進めていきます。


建具や畳、造作棚を取り外し、職人の手で「土壁」を落としていく

古民家の解体で最初に行う重要な工程が、内部の間仕切り壁や造作材(薄鴨居などの構造に関係のないもの)の撤去です。障子や襖などの建具を取り外し、続いて手作業で土壁を落としていきます。

土や小舞竹を集積・搬出する職人の様子

土壁を落とし、竹小舞(たけこまい)や土を分類しながら集積・搬出していく作業風景。

土壁の下地に使われている「竹小舞(たけこまい)」や縄、壁土などをしっかり分別しながら落としていくのは、非常に手間と時間がかかる作業です。ちなみに飛騨では「竹」でなく「茅」が使われていることの方が圧倒的に多いです。私たちは「へしたじ」と呼ぶことが多いのですが、正式名称はなんと言うのでしょうか。

この作業を丁寧に行うことで、後々の洗浄の工程で手間が省けますし、再利用する大切な構造躯体(柱や梁)を傷つけることもありません。

壁がなくなることで生まれる「圧倒的な開放感」

ダイナミックな太い丸太梁と広大な構造空間

壁がなくなると一気に視界が開けます。頭上に広がる太い丸太梁の木組みがまさに壮観です。

室内を仕切っていた壁や建具が取り払われると、それまで空間を区切っていた仕切りがなくなり、建物全体に光と風が通り抜けるようになります。

壁が落ちて骨組みだけが現れるにつれ、空間全体の広がりと開放感が一気に増し、ダイナミックな木組みの美しさがより際立ってきました。

この後は内部の完全なスケルトン化に向けて、さらに作業を進めてまいります!


【ミニQ&A】古民家の土壁解体について

Q. 落とした土壁の土や竹は処分してしまうのですか?
A. 混ざり物のない純粋な土であれば、解体後の整地で土地に混ぜ込むこともあります。石膏ボードやモルタルなどが混ざっている場合は、処分方法に合わせて分別して搬出します。自然素材100%で作られた昔ながらの土壁は、環境負荷が非常に少なく、古民家再生の現場によっては練り直して左官材料として再利用することもあります。
Q. なぜ重機を使わずに手作業で解体するのですか?
A. 移築再生を行う場合、柱や梁などの古材を次の住まいでもそのまま再利用するためです。造作の解体が終わると構造躯体の解体に入りますが、重機で強引に壊すと接合部(仕口や継手)が破損したり、表面に傷がついてしまうため、手壊し(バラシ)で1本ずつ丁寧に解体していきます。

まとめ:伝統建築の構造美をそのまま次世代へ

間仕切り壁が取り払われ、力強い骨組みが見えてくるこの瞬間は、私たち大工にとっても古民家の真価を実感できる非常にワクワクする工程です。

この先も安全第一で、慎重に作業を進めてまいります。次回も解体現場の進捗をお楽しみに!

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ドローンで撮影した現場の全景。緑豊かな里山に佇む圧巻の230坪の古民家です。

こんにちは!いもと建築です。

この度、また新たに古民家移築プロジェクトがスタートいたしました!

今回の建物は、なんと延床面積約230坪のとっても大きな古民家です。山々に囲まれた雄大な自然の中にあり、澄んだ空気と美しい里山の景観に包まれています。

動画をご覧いただくとわかる通り、周りの豊かな緑と立派な屋根の佇まいが、まるで一枚の絵画のように美しいです。


この記事のハイライト

  • 大型プロジェクト始動:延床面積230坪という非常に見ごたえのある大規模な古民家移築。
  • 今後の展望:解体・部材の選別・刻み直しへと進むプロジェクトの様子を随時発信していきます!

230坪の大空間。先人の技と雄大な木組みを次世代へ

230坪という広さは、現代の住宅としてはかなり大型の建物です。

内部には太く立派な丸太梁や、長年の歴史を重ねてきた力強い構造材がぎっしりと組み上げられています。これほど大きな古民家を解体し、一つひとつの部材に番付を取りつけていく作業は、まさに大工冥利に尽きる仕事です。

この雄大な自然環境のなかで、昔の職人たちが積み上げた手仕事に敬意を払いながら、慎重に作業を進めてまいります。

今後のプロジェクト展開にご期待ください!

これからは現場での手作業による解体作業(バラシ)、作業場へ持ち帰っての修繕(根継ぎや刻み直し)といった工程へ入っていきます。

どのようにしてこの巨大な古民家が解体され、新しい命を吹き込まれていくのか、ブログやSNSで随時レポートしていきますので、ぜひ楽しみにしていてください!


【ミニQ&A】大型古民家の移築・解体について

Q. 230坪のような非常に大きな古民家でも移築は可能なのですか?
A. はい、十分可能です!大規模な建物の場合、構造材の量も多くなりますが、だからこそ、太い梁や柱を効果的に活かした設計を行ったりすることで、唯一無二の大空間を再生できます。
Q. 山間部や道が狭い場所にある古民家でも移築解体は頼めますか?
A. 現場の道路状況や搬出ルートを事前にしっかりと現地調査した上で、レッカー車の手配やトラックのサイズを考慮して搬出計画を立てますので、まずは一度ご相談ください。

まとめ:歴史ある古民家を次の未来へ繋ぐ

雄大な自然環境の中に立つ230坪の古民家。その圧倒的な存在感を目の当たりにすると、この貴重な古民家を未来へ残す責任感とワクワク感が湧いてきます。

いもと建築では、飛騨高山の伝統技術をもって、大切に次の世代へ繋いでまいります。

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頭上に広がるダイナミックな木組みと立派な丸太梁が印象的な大空間

頭上に広がるダイナミックな丸太梁の木組み。囲炉裏の煙にじっくりと燻され、深みのある良い色合いに育っています。

こんにちは!いもと建築です。

この度、新たな古民家移築のご依頼をいただき、さっそく現地確認に伺ってまいりました。

足を踏み入れると、思わず息をのむような圧倒的な大空間と、重厚な部材の数々。大工としてこれほどまでに素晴らしい古民家の移築に携わらせていただけることに、心から感謝の気持ちでいっぱいです。


この記事のハイライト

  • 歴史を刻む大建築:明治29年(1896年)建築、築130年を誇る歴史ある古民家。
  • 飛騨の養蚕文化:かつて2階で養蚕が行われていた広大な空間と女中部屋の跡。
  • 圧巻のスケール:最長8間半(約15m)の梁、ヒノキ・ケヤキ・クリの柱やマツの桁材。

明治29年建築。先人の技術と歴史が息づく圧巻の造り

今回拝見した古民家は、明治29年(1896年)に建てられたもので、築130年という長い年月を重ねてきた建物です。

落ち着いた色合いの板間と格子戸、黒光りする太い柱や桁が美しい室内

長年大切に使い込まれてきた美しい広間。柱にはヒノキやケヤキ、クリなどの上質な素材が使われています。

柱にはヒノキ、ケヤキ、クリといった質の高い木材が惜しみなく使われており、梁や桁にはマツが多く使われています。驚くべきは梁のサイズで、最も長いものでなんと8間半(約15メートル)にも及びます。「牛」とよばれる丸太梁の太さは一尺五寸(45センチ)はありました。

長年の生活の中で囲炉裏の煙に燻された木材は、新材では再現することができない、こげ茶色や黒褐色といった非常に味わい深い表情を見せてくれていました。

2階に広がる「養蚕」の歴史と大空間

かつて養蚕が行われていた2階の広大な板間と昔の農機具

2階の広大なスペース。かつて唐箕(とうみ)などの農作業道具が使われていた当時の面影が残ります。

飛騨地方の古民家では、2階部分を広々と確保して「養蚕(ようさん)」を行っていたお宅が多く見られます。今回の建物ももともとは養蚕が行われていた構造で、当時の賑わいを感じさせる女中部屋の跡なども残されていました。

高天井と立派な梁が見渡せる吹き抜け状のダイナミックな空間

障子から柔らかい光が差し込む大空間。吹抜け状のダイナミックな意匠が見事です。

吹抜けを見上げた構造。小屋組みの美しい木組みと滑車

天井を見上げると、緻密に組まれた小屋組みと規則的に組み込まれた貫が綺麗です。

何もない広々とした板間としっかり渡された無垢の丸太梁

どこを見渡しても太く逞しい構造材ばかり。これから手を加えるのが本当に楽しみです。

もちろん長い歴史の中で、何回も改築や改修が行われてきたと思います。その名残だと見られるホゾ穴や仕口の跡も見られました。その度に当時の職人が精一杯の丁寧な仕事をしてきたことを感じました。今回は自分たちの番だと考え、私たちも精一杯の仕事をしたいと思います。

これほどの規模と品質を誇る古民家を移築し、次の時代へと受け継ぐ仕事は、かなりの期間と労力がかかる大プロジェクトとなります。

しかし、先人たちの素晴らしい手仕事に敬意を払い、誠心誠意取り組んでまいります!


【ミニQ&A】築100年以上の古民家移築について

Q. 築130年前の木材をそのまま使っても強度に問題はありませんか?
A. 問題ありません。ヒノキやケヤキ、マツなどの無垢材は、伐採されてから長い年月をかけて強度が増すと言われています。しっかり乾燥し燻された古材は、現代の新材同様に強固で耐久性に優れています。また構造計算をする場合、一本ずつヤング係数を測定し、数値的に強度を証明することもあります。
Q. 移築する際に、間取りやデザインを現代風に変えることはできますか?
A. はい、可能です。立派な柱や梁などの構造躯体(骨組み)を活かしつつ、断熱性能を高めたり、現代の生活動線に合わせた間取りや設備を取り入れることが移築再生の醍醐味です。

まとめ:受け継いだ歴史を、次の世代へ

今回の現地見学を通して、改めて日本の伝統建築の凄さと古材の持つ力強さを肌で感じることができました。

解体→刻み直し→移築再生と長い道のりになりますが、進捗状況はこれからも現場ブログでご紹介していきますので、ぜひご期待ください!

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古材の天板と脚で作られた味わいのある小型サイドテーブルの上部全景

端材となった古材を組み合わせて作った小さなテーブル。天板のヴィンテージ感がいい味を出しています。

こんにちは!いもと建築です。

古民家の解体や移築、改修の仕事をしていると、現場や作業場にはどうしても使われなった余りの古材がストックされていきます。

どれも何十年、時には100年以上も古民家に使われていた貴重な木材。「ただ捨ててしまうのは本当にもったいない!」ということで、今回は現場の合間に余った古材を再利用して、小さなサイドテーブル(棚付きラック)を作ってみました。

新材の木材では決して出せない、古材ならではの独特の味わいをご紹介します!


この記事のハイライト

  • 古材の端材活用:捨てるには惜しい古材を、日常使いできる家具へリメイク。
  • 新材にはない質感:長年の年月が刻んだ傷や着色、日焼け、深みのある木目が唯一無二の魅力。
  • 大工の息抜き手仕事:構造材だけでなく、ちょっとした小物や家具づくりも大工の楽しみの一つ。

端材だからこそ面白い!古材で作る世界にひとつの家具

今回制作したのは、お部屋の隅やソファの横、玄関先などにちょこんと置けるスマートな2段テーブルです。

天板に刻まれた「歴史のグラデーション」

古材テーブルと下段の棚板の様子

和の空間や使い込まれた板床にもしっくり馴染む佇まい。下段の棚にも古材を活用しています。

一番のポイントは、天板や下段の棚板に使っている古材の表情です。

新品の木材をいくらヴィンテージ風に加工しても、本物の古材が醸し出す「使い込まれた色ムラ」や「木の変形・ハツリ跡」の深みにはかないません。手触りも滑らかで、触れているだけでどこか温かみと落ち着きを感じさせてくれます。

コンパクトでも頑丈。大工の基本をしっかりと

下から見上げた古材テーブルの組み付け構造と脚部

脚と天板の接合部。DIY感覚で作る日用品でも、揺らぎなく永く使えるようしっかり組んでいます。

ちょっとした工作とはいえ、作るのは大工です(笑)。

ぐらつきが出ないよう、各部材の接合や水平の調整はしっかりと行っています。観葉植物を飾ったり、カフェタイムのサイドテーブルにしたり、デスク横の収納棚にしたりと、使い勝手の良いサイズ感に仕上がりました!ただ、家具屋さんのようなスマートなものは作れませんので、私たちが作ると良くも悪くも無骨な仕上がりになります(笑)


【ミニQ&A】古材の端材利用や家具づくりについて

Q. 古材の端材を使って、オリジナルの家具や小物をオーダーすることはできますか?
A. はい、可能です!古民家リノベーションや移築工事の際、「我が家で使っていた思い出の柱や板でカウンターテーブルや棚を作ってほしい」といったご要望もよくいただきます。
Q. 古材はトゲが刺さったり、衣服が引っかかったりしませんか?
A. 古板の多くは床板として使われていたものです。床板は足裏やスリッパで擦られるため、すべすべツヤツヤになったものがほとんどです。そのため、トゲが刺さったり、衣服が引っかかるほどのササクレはほとんどありません。必要に応じてサンダーをかけることも出来ますので、安心して触っていただけます。

まとめ:貴重な古材を有効に使いきる

古民家に使われていた木材は、解体されて役目を終えても、手を加えることで新しい家具や日用品として再利用することができます。

大きな家の骨組みを組む仕事はもちろんですが、こうした小さな手仕事を通して「木を無駄なく使い切る」ことも、私たち大工の大切な仕事の一つだと考えています。

また面白い端材アイテムが出来上がったらご紹介します!

古材を活用した空間づくり・家づくりのご相談

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黒板張りの美しい古民家移築住宅の外観

青空と芝生に映える落ち着いた外観。伝統的な和の佇まいと現代的なシャープさが同居しています。※弊社施工事例

こんにちは!いもと建築です。

今回は、以前から弊社で「解体 ➔ 刻み直し ➔ 現場での上棟(構造の組み上げ)」までを担当させていただいていた古民家移築プロジェクトの「完成見学」へ行ってきました!

上棟後の仕上げ工事は現地の建設会社様が引き継ぎ、設計事務所様の素晴らしいデザインによって、本当に美しい古民家移築住宅として完成していました。

今回は、大工目線でも感動した完成写真をご紹介します!


この記事のハイライト

  • 業者間の連携:弊社での解体・刻み・上棟から、現地の施工会社様へバトンタッチして完成!
  • 洗練された空間設計:設計事務所様の巧みなデザインで、古材の重厚感と現代の明るい空間が調和。
  • 見どころ写真:吹き抜けダイナミックな大空間、自然光が差し込む高窓、手仕事が活きる建具や仕上。

写真で巡る!移築古民家の上質な完成空間

私たちが作業場で一本一本手を入れて刻み直した柱や梁が、どのような素敵な空間に生まれ変わったのか、ポイントごとに解説します!

開放感あふれる吹き抜けと古材の大梁

ダイナミックな黒い古材の梁と明るい木目の天井

黒光りする古材の梁が平行に走る圧巻の吹き抜け。障子や格子の引き戸との相性も抜群です。※弊社施工事例

玄関から一歩足を踏み入れると広がる、ダイナミックな大空間!

家を長年支えてきた黒い大きな梁が、新しく貼られた明るい板張り天井と鮮やかな対比を描いています。高い天井と格子戸越しに見えるアイランドキッチンなど、古民家ならではの落ち着きを持ちながらも、現代的で開放感のある暮らしがイメージできます。

光と風を取り込む高窓と洗練されたダイニング

高窓からの光が漆喰壁と古材の柱を照らすスタイリッシュなダイニングスペース

壁一面の塗壁と古材の柱。高窓から差し込む自然光が、木の豊かな表情を際立たせます。※弊社施工事例

設計事務所様の計算された設計により、優しく室内へ光が落ちてきます。

私たちが「根継ぎ」や修繕を施した柱も、温かみのある塗り壁と一体となって空間にしっくりと馴染んでいました。シックな土間とシンプルな木製家具の組み合わせもとてもスタイリッシュです。

見上げれば職人技。見事に組み上げられた小屋組み

2階へ続く木製階段と見上げた天井の古材・シーリングファン

見上げると迫力ある丸太梁とシーリングファン。新しい階段との接続も美しい仕上がり。※弊社施工事例

上を見上げると、黒い古材の梁や桁が綺麗に並んでいます。

上棟の際、現場で組み合わさった時の感動が思い出されますが、こうして照明やシーリングファンが取りつけられ、完成した姿を見ると感無量です。大工としても非常に誇らしく、ワクワクする仕上がりでした!


【ミニQ&A】遠方への移築や施工連携について

Q. 地元以外の遠方での古民家移築もお願いできますか?
A. はい、対応可能です!県外への移築実績もあり、遠くは北海道へ移築したこともあります。今回のように弊社が古民家の解体・木材の刻み直し・現場での上棟(躯体の組み上げ)までを担当し、内装や設備などの仕上げ工事は現地の建設会社様と連携して進めるというかたちも可能です。
Q. 設計事務所が入るプロジェクトでも対応してもらえますか?
A. もちろんです。これまでの古民家移築のお仕事は、設計事務所様による設計50%、自社による設計50%ほどの割合です。設計意図を汲み取りながら、古材の特性や、古民家移築ならではの注意点などを擦り合わせしながら、設計者様や工務店様としっかり連携しながら施工いたします。

まとめ:受け継がれる古材と、新しい物語の始まり

解体から始まり、作業場での地道な刻み直し、そして現地での上棟......。私たちが手掛けた構造が、素晴らしい設計と施工の手によって最高の住まいとして形になった姿を見ることができて感動しました。

100年の歴史を持つ木材たちが、これからまた次の100年を刻んでいくと思うと、古民家移築という仕事の素晴らしさを改めて実感します。

素晴らしいプロジェクトに携わらせていただき、本当にありがとうございました!

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全国の設計事務所様・お施主様からのご相談をお待ちしております。

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番号札つきの古材や梁

解体現場から大切に持ち帰った古材たち。番付(番号)を割り振り、作業場で出番を待ちます。※弊社工場より

こんにちは!いもと建築です。

現在、作業場では解体した古民家から運び出した「古材」の修繕作業が着々と進んでいます。

古民家の移築では、ただ古い木材をそのまま組み直せば良いというわけではありません。傷んでいる部分を直したり、新しい間取りに合わせて加工し直したりする「刻み直し(きざみなおし)」という大切な工程があります。

今日は、そんな作業場で繰り広げられている職人たちの手仕事の様子を少しだけご紹介します!


この記事のハイライト

  • 古材の「根継ぎ」:傷んでいる柱の根元などを、新しい木材で継ぎ足す。
  • 「刻み直し」の理由:間取りの変更や修繕のため、新しい材料に合わせて仕口・継手を作り直す必要性。
  • 新旧の融合:黒く歴史を刻んだ古材と、新しい木のコントラストが美しい仕上がりへ。

なぜ古材に「刻み直し」が必要なのか?

古民家から回収した柱や梁は、100年以上という時間を生き抜いてきた強い生命力を持っています。しかし、長年の使用で一部が傷んでいたり、現代の住まいに合わせた間取り変更によって、そのままでは使えない場面が出てきます。

そこで必要となるのが、大工の技術を詰め込んだ「刻み直し」「修繕」です。

柱の足元を蘇らせる伝統技法「根継ぎ(ねつぎ)」

黒い古材と新しいヒノキ材が見事に接合された根継ぎ作業

古い黒い木材と、新しく継ぎ足した新材。伝統的な継手「金輪継ぎ」でガッチリ噛み合っています。※弊社工場より

古民家の柱は、地面に近い足元(根元)部分が湿気や蟻害で傷みやすい傾向にあります。

だからといって柱を丸ごと捨ててしまうのではなく、傷んだ部分だけを切り落とし、新しい木材を丁寧に繋ぎ合わせます。これが「根継ぎ(ねつぎ)」と呼ばれる職人技です。

写真の通り、古い黒色の木と、新しい白木が複雑な形状で組み合わさっています。隙間なくピタッと合わさる瞬間は、まさに大工仕事の醍醐味です!

間取りに合わせて新しい仕口・継手を作る

新しいホゾや仕口が加工された状態の角材や組み直し用の構造材

先端に新しいホゾや仕口を作り直した部材。組み上がるのが楽しみです。※弊社工場より

新しく生まれ変わるお家では、以前とは間取りや天井の高さが変わることがあります。

そのため、新しい柱や梁を追加したり、交差する柱と梁の部分の「仕口(しくち)」や「継手(つぎて)」を手作業で刻み直していきます。

手間と時間はかかりますが、こうして一つひとつ手を加えることで、家を支えていた梁や柱をしっかりと活かして使うことができるのです。


【ミニQ&A】古材の修繕についてよくある質問

Q. 新しい木を継ぎ足しても、強度は大丈夫なのですか?
A. 伝統的な継手の形状(金輪継ぎなど)を用いて強固に固定するため、一本の木のように強度を発揮します。また構造計算などにより、必要な箇所には金物などを併用することもあります。
Q. 新しい木材と古い木材の色が違いますが、完成後はどうなりますか?
A. 新しい木の部分に自然塗料などを塗って古材の色味に馴染ませることもできますし、あえて新旧の色のコントラストをデザインの「歴史のグラデーション」として楽しむことも可能です。

まとめ:一本の木を大切に繋ぐ家づくり

解体された古材が作業場で大工の手によって修繕され、新しい命を吹き込まれていく様子は、見ているだけでもワクワクします。

昔の職人が刻んだ木材に、現代の大工が再び手を加えて繋いでいく――。これこそが、古民家再生や移築の醍醐味だと感じています。

今後も現場や作業場でのモノづくりの様子を少しずつお届けしていきますので、どうぞお楽しみに!

古民家・古材を活用したお家づくりのご相談

「古い実家の柱を新築に使いたい」「古材のある雰囲気に憧れる」など、
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2階建て古民家の外観全景

現地調査では、建物そのものだけでなく、解体や搬出時のことも含めて確認します。

「先祖代々暮らしてきた古民家を別の場所に移して建て直したい」「気に入った古民家の構造材を買い取り、新築のフレームとして活かしたい」といったご相談を受ける際、私たちが最初に行うのが「現地調査(現調)」です。

ここで重要なのは、「その場所で直して住む(現地再生)」と「解体して別の場所へ運ぶ(移築)」では、現調時にチェックすべきポイントが異なるという点です。

移築の場合、単に「綺麗か・住めるか」ではなく、「解体や輸送のボリュームは?・修繕のボリュームは?・移築に向いているか?」という視点が必要になります。今回は、古民家移築を前提とした現調で、私たちが実際にどこを確認しているのか、プロのチェックポイントを解説します。


この記事のポイント(3秒でわかる要約)

  • 移築ならではの視点:その場でのリフォームと異なり、「解体時の施工性」や「部材の再利用可否」を最優先で判断する。
  • 見極めの勘所:土台の傷みは新材に交換可能だが、主要な梁や小屋組みの傷みは修繕コストを跳ね上げるため重点的に確認する。
  • 仕事の精度を確認する:仕口(接合部)の隙間やねじれを見ることで、建築当時の仕事の精度や材料の状態を確認する。

古民家「現地再生」と「移築」における現調の違い

現地でそのままリフォームする場合は、基礎の打ち増しやジャッキアップによる傾き修正など、「今の状態をどう補強するか」を中心に考えます。

一方、「移築」を前提とする場合は、一度すべての部材をバラバラに分解することになります。そのため、「部材一本一本が単体として健全か」「搬出・運搬に必要な大型重機が入るか」「移築時の間取りの自由度はどうか」といった、違った視点からのシミュレーションが求められます。


大工の目で見る!古民家移築・5つの現地調査ポイント

ポイント1:外観の印象と解体時・移築時のリスク

古民家を斜め下から見上げる

前方・後方・横から・下から、いろんな角度から確認します。

建物の前に立った際、まずは全体のシルエットと外部の劣化状態を確認します。

  • 屋根の「不陸(ふりく)」:屋根のラインが著しく波打っている場合、小屋組み(屋根裏の骨組み)に重大な傷みや腐朽がある可能性を疑います。
  • 雨や風に晒された外壁部材:雨が直接当たる外周部の柱や差し鴨居、板壁の傷み具合を確認します。また左官壁(土壁)か板壁かによって、解体時の手間や廃産業廃棄物の処分コストも変わります。
  • 解体時の課題(搬出ルート):大型レッカー車が横付けできるか、部材を仮置きできるか、前の道路が狭く部材を運び出せないリスクがないかなど、解体作業そのものがスムーズに行えるかを確認します。

ポイント2:内部の空間構成と間取りの自由度

囲炉裏と大きな差し鴨居がある古民家の広い内部空間

黒光りする太い梁と開放的な空間。柱のスパン(間隔)が将来の間取りに影響します。

建物内部に入り、空間全体のゆがみと構造的な拡張性や間取りの自由度をチェックします。

  • 柱の傾き・床の不陸:目視や感覚で確認します。現時点で傾きや不陸があっても、移築時にしっかりと直すため問題はないのですが、修繕コストや期間を計算するための参考になります。
  • 柱の間隔(スパン)と自由度:柱がどの程度の間隔で立っているかを確認します。柱の間隔が狭すぎると、例えば移築後に広いリビングを作る際、柱を抜くための補強梁が必要になるなど、間取りの制約を受けるためです。古民家は比較的、柱の間隔が広く間取りの自由度は高いことが多いです。

ポイント3:構造部材のサイズ感・樹種・状態

小屋組みを見上げる見ごたえのある丸太梁 現代住宅ではあまりないサイズの大きな構造材

ダイナミックに架けられた丸太梁。雨漏り跡がないか、大きな傷みはないかも厳重チェック。

古民家の命とも言える「木材そのものの価値と状態」を診ていきます。

  • 木材の樹種とサイズ:ケヤキ、クリ、マツ、ヒノキなど、どんな樹種がどこに使われているか。また、どれくらいのサイズの構造材が使われているかも確認します。
  • 色合いと風合い:囲炉裏の煙で長年燻された黒やこげ茶色か、比較的明るい白木に近い状態か。移築後のデザインや雰囲気を考えるための大切な要素になります。
  • 内部構造材の雨漏りダメージ:古民家の二階部分は天井が貼られていないことがほとんどなため、目視で水染みや傷みがないかをチェックします。構造の要である梁が痛んでいると再利用が難しくなり、入替や修繕作業が必要となります。

ポイント4:接合部(仕口・継手)の精密さと仕事の丁寧さ

大工の手仕事が残る木材と木材の複雑な接合部分 大工の手仕事が残る仕口や継手

柱と梁の接合部。隙間やねじれの有無で、材料の良し悪し、仕事の丁寧さの判断材料となります。

木と木が組み合わさる接合部(仕口・継手)は、その家を建てた当時の「職人の技術力」が最も現れる部分です。しっかりした仕事がしてあるほど、時が経っても狂いにくく、隙間も空いてないことが多いです。

  • 隙間やねじれのチェック:接合部に極端な隙間が空いていないか、経年変化で極端なねじれが生じていないかを確認します。
  • 手仕事の評価:仕口や継手のジョイントに大きな狂いがない建物は、解体時にも部材を傷めずに綺麗に引き抜くことができ、移築時の組み上げもスムーズに進みます。

ポイント5:部位ごとの傷み具合と「再利用可否」の選定

束石の上に載った経年変化のある玉石基礎と土台の接地面

地面に近い土台部分は腐朽が見られますが、移築時は新材へ取り替える設計が可能です。

現調において「どの部位が傷んでいるか」の確認は、見積もりをするうえで重要な部分です。

  • 土台の傷み(許容範囲):地面に近く、蟻害や湿気で傷みやすい「土台」は、ある程度腐食していても問題ありません。移築時には土台を新しい無垢材に丸ごと取り替える計画を立てるためです。ただし土台に伴い柱の根元やホゾも傷んでいる場合、柱の修繕が必要になります。
  • 小屋組み・主要構造材の傷み(厳しくチェック):一方で、曲がりくねった大きな梁や主要な柱が腐っている場合、補修に膨大な手間と職人の刻み直し作業(加工)が必要になります。メインの骨格(通し柱や主要な梁桁)が健全であることこそが、移築成功の大切なポイントです。

関連記事:古民家解体の流れ|古民家移築のための構造躯体バラシ作業


【Q&A】古民家移築の現地調査に関するよくある質問

Q. 移築したい古民家が遠方にあるのですが、現地調査に来てもらうことは可能ですか?
A. はい、可能です。移築は解体現場の道路状況や周りの環境調査も必須となるため、直接現場へ伺い、図面がない古民家でも大まかな測量と状態診断を行います。
Q. かなり傷みが激しい古民家ですが、移築できるかどうか素人では判断できません。
A. 一見ボロボロに見える古民家であっても、表面の仕上げ材が傷んでいるだけで、内部の主要な大梁や柱が無事であるケースは非常に多くあります。かえって、パッと見は状態が良く見える古民家も、構造材に大きな傷みがあることもあります。解体されて処分されてしまう前に、ぜひ一度プロの目による現調をご依頼ください。

まとめ:確かな「目」を持った大工による現地調査が移築の第一歩

古民家移築は、ただ古い建物を壊して移動させる作業ではありません。先人が遺してくれた貴重な木材と技術を、現代の技術と融合させて次の世代へ受け継ぐ一世一代のプロジェクトです。

そのためには、「どの木を生かし、どの部分を新しく差し替えるか」を正確に判別できる現地調査が不可欠となります。

いもと建築では、長年培ってきた古民家移築の知見と実績を活かし、古民家診断・現調を行っております。「この古民家は移築できるだろうか?」とお悩みの方は、ぜひお気軽にお声がけください。

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古民家に合うインテリア小物6選|空間を引き立てるレトロ雑貨の選び方

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アンティークな八角形のゼンマイ式ボンボン時計

時を刻むやさしい音が響くゼンマイ式の壁掛け時計。※弊社事務所より

古民家や古民家風の新築・リノベーション住宅に住み始めると、「どんなインテリア小物を置けば部屋がおしゃれに見えるだろう?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

太い柱や梁、落ち着いた木の色合いが特徴の空間には、現代的なプラスチック製品よりも、長い年月を経て深みの増した「アンティーク雑貨」や「生活道具」がとてもよく似合います。

今回は、古民家の雰囲気をぐっと高めてくれるおすすめのインテリア小物6選と、空間に自然と馴染ませるポイントをご紹介します。


この記事のポイント(3秒でわかる要約)

  • 自然素材や古い道具を選ぶ:木、ガラス、金属など経年変化のある素材が古民家の柱や漆喰壁に馴染む。
  • 本来の用途に囚われない:糸巻や板金の箱など、昔の道具を「花器」や「インテリアオブジェ」として再利用するのがおしゃれ。
  • 色数を絞って素材感を魅せる:落ち着いた木調の中に、ガラスの透明感やレトロ家電の挿し色をアクセントにするのがコツ。

古民家の魅力を引き立てるおすすめインテリア小物6選

古民家の持つ独特の空気感や木の温もりには、時代を生き抜いてきた道具たちがしっくりと馴染みます。空間のアクセントになるアイテムを弊社の事務所を参考にご紹介します。

1. レトロな壁掛け時計(ボンボン時計)

八角形や長方形の木枠で作られた昔ながらのゼンマイ式柱時計は、古民家の壁面を飾る主役級のアイテムです。

  • マッチするポイント:深みのある木枠が漆喰(しっくい)壁や真壁(柱が見える壁)によく映えます。振り子が揺れる姿や、カチカチと時を刻む心地よい音が空間に豊かな情景を与えてくれます。壊れていて時計としては動かなくても、インテリアとして飾っていても十分に素敵です。

2. デミジョンボトル(大ぶりのガラス瓶)

デミジョンボトル

ぽってりとした丸みが可愛らしいオリーブグリーンのデミジョンボトル。※弊社事務所より

昔、酒類や薬品の運搬・保存に使われていた大型のガラス瓶「デミジョンボトル」。

  • マッチするポイント:歪みのある古いガラス独特の質感とゆらぎが、重厚感のある木調空間に軽やかな透明感をプラスしてくれます。床にそのまま置き、ドライフラワーや枝ものを生けるだけで絵になります。サイズが大きいので、置くためのテーブルや台を用意しなくても、床にそのまま置くだけで雰囲気があります。

3. レトロな水色のガラスびん

水色の気泡入りレトロガラス瓶

光を受けてやさしく輝く水色のガラス瓶。花器やディフューザー立てにも。※弊社事務所より

気泡が入った古い清涼飲料水や調味料などの薄いブルー・グリーンのガラス瓶です。

  • マッチするポイント:暗くなりがちな古民家のインテリアに、爽やかなアクセントカラーを足してくれます。窓際や棚の上にいくつか並べて置くと、自然光を通してますます美しい表情を見せてくれます。レトロなガラス特有のいびつな表面に味わいがあります。

4. 用途不明の古い板金(トタン)の箱

ブリキ製の無骨な金具箱

炭を入れて鉢カバー風にアレンジした無骨な金具箱。※弊社事務所より

昔の農家や作業場で使われていた、トタンやブリキ製の無骨な金具箱。

  • マッチするポイント:使い込まれて鈍い光を放つ金属の質感が、インダストリアル(工業的)でかっこいい雰囲気を演出します。炭を入れて炭箱にしたり、観葉植物のカバーや小物入れに再利用したりするアイデアがおすすめです。金属製の小物は錆びていることもありますが、古民家インテリアの場合には、その錆も「味」として受け入れることができます。もともとの用途にとらわれず、自分なりにアレンジして使うのも楽しさの一つです。

5. 養蚕道具の「糸巻(いとまき)」

木製糸巻

蚕糸を紡ぐために使われていた幾何学的な造形が美しい糸巻。※弊社事務所より

養蚕業が盛んだった地域で使われていた、糸を紡ぐための木製糸巻道具です。

  • マッチするポイント:職人の手で作られた六角形や放射状の立体的な造形美は、置くだけで存在感のあるオブジェになります。和の歴史を感じさせつつも現代アートのような趣があり、無垢材の床と抜群の相性を見せます。一般的には4本脚の糸巻が多いのですが、たまに写真のような6本脚の糸巻があります。ヨコにして置いても、タテにして置いても、いろいろと楽しめます。

6. レトロな石油ストーブ

赤い丸型石油ストーブ

フォルムが可愛らしいクラシックな石油ストーブ。※弊社事務所より

丸みを帯びたフォルムやレトロなカラーリングが特徴的な、昭和期の石油ストーブです。

  • マッチするポイント:実用性はもちろん、オフシーズンもインテリアとして飾っておきたくなるデザイン性があります。土間スペースやリビングの隅に置くだけで、どこか懐かしく温かみのある生活感をプラスしてくれます。昭和っぽい家具もしっくり合うのが、古民家インテリアの良いところでもあります。

関連記事:古民家に住みたい方へ|古民家に住むには?3つの方法と失敗しない選び方


【Q&A】古民家のインテリアに関するよくある質問

Q. 古いインテリア小物はどこで手に入りますか?
A. 蚤の市や骨董市、古道具店などで購入できます。また、古民家の解体時や片付けの際に出てくる不用品の中に掘り出し物が眠っていることも多いため、移築やリノベーションをご検討中の方は解体前のチェックもおすすめです。
Q. 古い道具を部屋に置く際、ごちゃごちゃ見せないコツはありますか?
A. 「飾るエリア」を限定し、余白を意識することがポイントです。部屋全体に散りばめるのではなく、チェストの上や床の間など一箇所にまとめて飾ると、洗練されたギャラリーのような印象になります。

まとめ:お気に入りの古道具で世界に一つの古民家空間を

古民家や古民家風の住まいに合うインテリア小物は、新製品にはない「ストーリー」と「味わい」を持っています。

昔の人が暮らしの中で使っていた糸巻や瓶、金具箱などを、自由な発想でインテリアとして見立てて飾ることで、住まいはより一層味わい深いものへと育っていきます。

いもと建築では、古民家の構造や魅力を活かしたリノベーションや移築のご提案はもちろん、古材や伝統の佇まいに調和する空間づくりのお手伝いも行っております。理想の古民家暮らしについて、ぜひお気軽にご相談ください。

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古民家の「番付(ばんづけ)」とは?|昔の大工が遺した美しい墨文字

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解体整理された古材の側面に筆書きされた番付「ね九」

解体・整理された古材の側面に、大きく堂々と書かれた「ね九」の墨文字。※弊社収納部材

古民家の解体や移築の現場で、取り外した柱や梁(はり)をよく見てみると、達筆な墨文字で「ぬ 九」「い 5」といった文字が書かれているのを目にすることがあります。

これは、建築用語で「番付(ばんづけ)」と呼ばれるものです。

「この文字にはどんな意味があるの?」「どうやって柱の位置を決めているの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、古民家に刻まれた「番付」とはどのようなものなのか、その役割や仕組み、画面越しにも伝わる昔の大工職人たちの美しく味わい深い手書き文字の魅力についてご紹介します。


この記事のポイント(3秒でわかる要約)

  • 番付(ばんづけ)とは:建物の部材(柱や梁)の配置場所を示す「住所」のような識別記号。
  • 付け方の仕組み:「いろは(縦軸)」×「一二三(横軸)」のグリッドで正確に管理するためのもの。
  • 職人の手仕事:昔の職人が墨と筆で書いた字は、美しく読みやすいだけでなく、現代の大工にとっても見習いたい「味」と「仕事への誇り」が詰まっている。

古民家に書かれている「番付(ばんづけ)」とは?

「番付(ばんづけ)」とは、一言で言うと建物の部材が『どの位置に使われていたか』を示すための識別記号のことです。

家を建てる際、あらかじめ作業場で木材を加工(刻み)し、現場で一気に組み上げます。その際、どの柱や梁をどこに組むかを間違えないように、すべての部材に位置を示す番付を墨で書き込みます。

特に古民家移築においては、解体した柱や梁を別の場所で再び組み上げるため、この番付が非常に重要な役割を果たします。

関連記事:古民家移築の「番付」とは?解体時に部材の位置を記録する方法

番付の基本的な仕組み(読み方)

番付は基本的に、格子状(碁盤の目)の座標軸を使って表記されます。

  • X軸(東西方向など):「い・ろ・は・に・ほ・へ・と...」といった『いろは順』
  • Y軸(南北方向など):「一・二・三・四...」または「1・2・3...」といった『数字』

たとえば、「ぬ 九」であれば、「ぬ」の通りと「九」の通りが交差する位置に入る柱や梁であることを示しています。

このシンプルで分かりやすいシステムのおかげで、100年以上前の建物であっても、現代の私たちが正確に構造を解読し、参考にすることができるのです。


昔の職人が書いた番付は、とにかく字が綺麗で味わい深い

部材の端に力強く書かれた番付

部材の端(ホゾ部分)に力強く書かれた「た九」の文字。※弊社収納部材

現場で解体していたり、工場で作業をしたりしていると、思わず手を止めて見入ってしまうことがあります。

それは、昔の職人(大工)たちが書いた番付の文字があまりにも美しく、味わい深いからです。

現代ではマジックやプレカットの印字で番付を付けることが主流になりましたが、昔はすべて大工が「筆や、墨さしという道具」で手書きしていました。

見習いたい「手仕事の丁寧さ」と「分かりやすさ」

達筆な筆遣いで書かれた番付の拡大

流れるような筆遣いでありながら、遠くからでも一目で識別できる文字。※弊社収納部材

写真をご覧いただくと分かるように、ただ字が上手なだけではありません。

  • 遠くからでもパッと見て分かる視認性の高さ
  • 迷いのない力強い筆遣いと、墨の風合い
  • 組み立てる職人への思いやりが感じられる丁寧さ

墨付け作業の中でサッと書かれたはずなのに、無駄がなく、美しく、どこか温かみがあります。

自分たちの仕事に誇りを持っている当時の大工さんの心意気や美意識が、この一文字一文字からひしひしと伝わってきます。

私たち現代の作り手にとっても、非常に勉強になり、見習いたい大切な姿勢だと感じています。


【Q&A】古民家の番付に関するよくある質問

Q. リノベーションや新築で、この番付の文字を見せることはできますか?
A. はい、可能です。あえて番付の文字が残っている面を室内に見せる仕上げにすることで、古民家の雰囲気を感じられる世界に一つのアクセントになります。※全て古材に芸術的な番付が書かれているわけではありません。
Q. 古民家を移築する際、番付の文字が消えかかっている場合はどうしますか?
A. 古民家移築の場合は、昔の番付とは別に、私たち用の新しい番付を振りなおし、図面(測量図)を新たに作成します。ただし、正確な仕事をするうえで、残っている昔の番付はとても参考になります。

まとめ:伝統の技と想いを次の世代へ継承する

古民家の柱や梁に残された「番付」は、単なる記号ではなく、時代を超えて職人から職人へと技術と想いを伝えるバトンのような存在だと感じます。

100年の時を経た木材の強さとともに、昔の職人が遺した手仕事の美しさを大切に活かしながら、住みやすく心地よい住まいへと生まれ変わらせる――それこそが古民家移築・再生の大きな魅力だと感じています。

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