【古民家移築お悩みブログvol. 2】どんな古民家を選んだらいいの?

DSC_0766.JPG

こんにちは(^-^)

当ブログをご覧いただき、ありがとうございます!

古民家を移築して、悠悠とした古民家ライフに憧れる方は多いと思います。

この記事に足を運んでくださった方も、そのような憧れをお持ちではないでしょうか?

しかし、古民家の移築について多くの疑問や不安をお持ちだと思います。

そんな疑問を少しでも解消するために「古民家移築お悩みブログ」を書いています。

是非、ご参考になさってください(^_^)


今回のテーマは「どんな古民家を選んだらいいの?」です。

移築をお考えの方は、インターネット検索や不動産屋さんの物件紹介で、いろいろな古民家をリサーチされていると思います。

古民家と一言に言っても、世の中には沢山の物件がありすぎて、どんな古民家を選べばよいか迷ってしまうと思います。

そこで今回は、日々現場で古民家と向き合っている私たちの視点から、古民家を選ぶときのチェックポイントについて、まとめていきますね(^-^)

ちなみに、この記事では2つのことを前提に書いていきます。

✓ 移築をするという前提で

「移築」と「リフォーム」とでは、チェックすべきポイントが違うからです。

✓ 飛騨の古民家を念頭に

地域によって造りは様々です。私たちも他地域の古民家については分からないこともありますので、責任をもってお話しできる飛騨の古民家という前提でお話します。


では早速、結論から...

「古民家移築に精通した大工さんと一緒に現物をみてくだい」

良し悪しの見分けは、専門的な視点で確認しないとなかなか難しいので、それが一番です。

ですが、それでは「そんな当たり前のこと言うんじゃないよ!」と叱られてしまいますので、ちゃんと書いていきます。

おおまかな項目としては以下、

① 目的に合った大きさですか?

② 構造は建築当時のままですか?

③ 柱や梁にはどんな木が使われていますか?

④ 傷み具合はどうですか?

⑤ 建具なども再利用できそうですか?

そして最後に・・・

⑥ 運命を感じますか?

です。最後ちょっとスピリチュアルっぽくなりますが、大切なことです。

それでは順番に( ..)φ


① 目的に合った大きさですか?

古民家を移築してどう使うのか、ということです。住宅なのか、別荘なのか、店舗なのか、宿泊施設なのか、はたまたそれ以外なのか、ということです。

古民家は基本的にデカいです!最近の住宅に比べたら、当たり前ですがデカいです。ボリュームゾーンとしては、60坪~100坪くらいですね。

大型のものだと200坪近いものも(*_*) 弊社で移築した最大のもので150坪くらいです。

「いや、住宅や別荘として使うから、40坪で十分なんですけど...」

と言いたくなる気持ちも分かります。

ですが、デカいものはデカいまま移築するのが良いと思います!

せっかくの古民家です。やたらと広い土間、やたらと広い板の間、それが醍醐味だと思うからです。余白の贅沢を味わえるのが古民家ならではだと思います。

天井は低めで、柱や梁は大きく、使用感は実際の面積よりも少し小さく感じるかもしれません。

とは言え、100坪を超えてくると、移築の費用も莫大になってきますし、さすがに維持も大変です。

住宅や別荘でしたら60坪~80坪程度がしっくりくるのではないかと思います。

商業施設ですと、100坪以上の面積が必要になるかもしれません。

もう少し小振りな古民家をご希望の場合は、こんな手もあります。

✓ 板倉という選択

板倉は20坪前後のものが多く、さすがに小さいのですが、増築をすることで住宅として使用することは十分可能になります(^-^)

✓ 減築という方法

例えば、60坪の古民家を40坪まで減築して移築する、という方法もアリです。

ただし、減築できる構造的な位置は決まってきますので確認が必要です。

暮らし方をイメージしながら「ちょうどイイ+αのサイズ感」を選んでいただくことをオススメします(^_^)


② 構造は建築当時のままですか?

これ、すごく重要です!

改築がされたことで、建築当時の構造が変わってしまっていないか、ということです。

過去の改築で間取りを変えるために、大事な柱や梁を途中で切ってしまっている事例もあります。

構造的にも、意匠的にも良いことではありませんし、本来の姿に戻すためにはとても手間がかかってしまいます。

構造をイジられているかどうかを判断するためには専門的な見方が必要なので、可能であれば、大工さんと一緒に確認するのがベストです。

ちなみに、構造をイジっていないリフォームは、移築する上ではそこまで影響してきませんので大丈夫ですよ(^^)v


③ 柱や梁にはどんな木が使われていますか?

単純にいうと「サイズが大きくて、堅い」ものが良いです。

「構造的に丈夫」「価値がある」からです。

古民家と現代の住宅の構造材の特徴を表にしてみました。

古民家 現代の住宅
よく使われている
柱のサイズ
150mm角~300mm角 105mm角・120mm角
よく使われている
梁のサイズ
幅は150mm~、成は240mm~
大きいものだと1本800㎏
幅は105mm・120mm
成は150mm~240mmくらい
よく使われている樹
(広葉樹)
ケヤキ、クリ、ナラ、カツラなど
よく使われている樹
(針葉樹)
ヒノキ、ヒバ、マツなど ヒノキ、スギ、マツ類など
無垢材 or 集成材 無垢材 無垢材、集成材

参考としてですが、こんな感じです。

集成材は強度が高く、個体によるムラも少ないので良いものです。味わいや価値という点では、やっぱり無垢材です。

もちろん、そこまで大きくない部材を使ってある古民家もありますが、せっかくならドーンと迫力のある構造を選びたいですよね(^-^)

樹種についても、広葉樹が多く使われている物件を選びたいところです。大きなケヤキを贅沢に何本も使っているなんて、今時では考えられませんよね(^-^;

とはいえ、樹種を見分けるのはけっこう難しいので(これがまた、燻されて黒くなっていたりすると、ますます分かりづらい・・・)、これも大工さんに見てもらうと間違いないと思います。

「サイズが大きくて、堅い」

これがポイントです。ヒノキやマツが良くないという意味ではありませんので、誤解なきようm(__)m


④ 傷み具合はどうですか?

構造材の傷み具合も大事なチェックポイントです。

長い年月経っているのですがら、傷んでいるのは当たり前なのですが、あまりに傷みが激しいと、修繕に費用がかかってしまいます。

地面に近い土台や大根太が傷んでいるのは想定内なのですが、長い間雨漏りをしていて、小屋組みや梁などが傷んでいると、修繕がちょっと大変になります。

馬屋があった場合は、どうしても腐りが広がりやすいので要チェックです。

また、解体してみないと完全には判断できないところがあります。これは大工さんでも同じです。目で見えるところだけでも、確認してみましょう!

どんなに傷んでいても、移築時にはしっかりと修繕されるので問題はありませんが、できるなら状態のよい古民家を選びたいところですね(^_^)


⑤ 建具なども再利用できそうですか?

古民家の雰囲気に欠かせないもの、それは「建具」ですね!建具の影響力たるや、絶大です!

できれば古建具もそのまま再利用したいですよね(^-^)少し傷んでいたり、ガラスが割れていたりしても、ある程度のリペアは可能ですから、是非積極的に利用しましょう!

建築当時の建具がそのまま残っている古民家はおすすめです。それだけで価値があると思うからです。

現場を見学する際は、一緒に建具も見てみましょう!

それから、囲炉裏や戸棚、養蚕に使われていた道具なども、インテリアとして十分に活かすことができます(^^

建物だけではなく、そこに置かれているものも古民家選びの大切なポイントです。

※どこまでを取得できるかもしっかり確認しましょう(^_^)


⑥ 運命を感じますか?

いきなりスピリチュアルなことを言い出してすみません...。

でも、ここまで色々と書いてきましたが、最後はコレです。

すべてを覆すようで申し訳ないのですが、最後はコレに尽きると思います。

その古民家を見たときの、または中に入った時の、雰囲気、空気感...「ここ好き!」と直感で感じたのなら、そこを選ぶべきです(^-^)

サイズのこと、構造のこと、傷みのこと、それらは何とかなります。というか、そこを何とかするのが、私たちのお仕事ですので!


今回は「どんな古民家を選んだらいいの?」というテーマで書きました。

この他にも、専門的にチェックしておきたい項目は沢山あるのですが、まずは皆さまが古民家移築に向けて踏み出すための、はじめの一歩として書かせていただきました。

この記事を読んで、憧れの古民家移築に向けて少しでも理解を深めていただけたなら幸いです!

それでは、また次回(^^)/~~~


是非こちらの記事もご覧ください↓↓↓

【古民家移築お悩みブログvol. 1】古民家移築の費用感は?

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

弊社では、古民家の移築を行っております。

住宅として、別荘として、店舗として・・・。

古民家移築にご興味のある方は、是非お気軽にお問合わせください(^-^)

移築可能な古民家のご紹介もさせていただきます。

お問合わせページはこちら

または下記のアドレスまでお問合わせください

info@imoto-building.co.jp

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■