解体現場から大切に持ち帰った古材たち。番付(番号)を割り振り、作業場で出番を待ちます。※弊社工場より
こんにちは!いもと建築です。
現在、作業場では解体した古民家から運び出した「古材」の修繕作業が着々と進んでいます。
古民家の移築では、ただ古い木材をそのまま組み直せば良いというわけではありません。傷んでいる部分を直したり、新しい間取りに合わせて加工し直したりする「刻み直し(きざみなおし)」という大切な工程があります。
今日は、そんな作業場で繰り広げられている職人たちの手仕事の様子を少しだけご紹介します!
この記事のハイライト
- 古材の「根継ぎ」:傷んでいる柱の根元などを、新しい木材で継ぎ足す。
- 「刻み直し」の理由:間取りの変更や修繕のため、新しい材料に合わせて仕口・継手を作り直す必要性。
- 新旧の融合:黒く歴史を刻んだ古材と、新しい木のコントラストが美しい仕上がりへ。
なぜ古材に「刻み直し」が必要なのか?
古民家から回収した柱や梁は、100年以上という時間を生き抜いてきた強い生命力を持っています。しかし、長年の使用で一部が傷んでいたり、現代の住まいに合わせた間取り変更によって、そのままでは使えない場面が出てきます。
そこで必要となるのが、大工の技術を詰め込んだ「刻み直し」や「修繕」です。
柱の足元を蘇らせる伝統技法「根継ぎ(ねつぎ)」
古い黒い木材と、新しく継ぎ足した新材。伝統的な継手「金輪継ぎ」でガッチリ噛み合っています。※弊社工場より
古民家の柱は、地面に近い足元(根元)部分が湿気や蟻害で傷みやすい傾向にあります。
だからといって柱を丸ごと捨ててしまうのではなく、傷んだ部分だけを切り落とし、新しい木材を丁寧に繋ぎ合わせます。これが「根継ぎ(ねつぎ)」と呼ばれる職人技です。
写真の通り、古い黒色の木と、新しい白木が複雑な形状で組み合わさっています。隙間なくピタッと合わさる瞬間は、まさに大工仕事の醍醐味です!
間取りに合わせて新しい仕口・継手を作る
先端に新しいホゾや仕口を作り直した部材。組み上がるのが楽しみです。※弊社工場より
新しく生まれ変わるお家では、以前とは間取りや天井の高さが変わることがあります。
そのため、新しい柱や梁を追加したり、交差する柱と梁の部分の「仕口(しくち)」や「継手(つぎて)」を手作業で刻み直していきます。
手間と時間はかかりますが、こうして一つひとつ手を加えることで、家を支えていた梁や柱をしっかりと活かして使うことができるのです。
【ミニQ&A】古材の修繕についてよくある質問
- Q. 新しい木を継ぎ足しても、強度は大丈夫なのですか?
- A. 伝統的な継手の形状(金輪継ぎなど)を用いて強固に固定するため、一本の木のように強度を発揮します。また構造計算などにより、必要な箇所には金物などを併用することもあります。
- Q. 新しい木材と古い木材の色が違いますが、完成後はどうなりますか?
- A. 新しい木の部分に自然塗料などを塗って古材の色味に馴染ませることもできますし、あえて新旧の色のコントラストをデザインの「歴史のグラデーション」として楽しむことも可能です。
まとめ:一本の木を大切に繋ぐ家づくり
解体された古材が作業場で大工の手によって修繕され、新しい命を吹き込まれていく様子は、見ているだけでもワクワクします。
昔の職人が刻んだ木材に、現代の大工が再び手を加えて繋いでいく――。これこそが、古民家再生や移築の醍醐味だと感じています。
今後も現場や作業場でのモノづくりの様子を少しずつお届けしていきますので、どうぞお楽しみに!
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