建具を取り外し、解体作業が始まった室内。壁が少しずつ無くなるにつれて、奥まで視線が抜けていきます。
こんにちは!いもと建築です。
先日現地調査をさせていただいた、築130年の大型古民家の解体作業がいよいよ本格的にスタートいたしました!
移築再生に向けた手壊し解体では、いきなり重機で壊すわけではなく、まずは建物内部の「造作解体(建具や畳の撤去、間仕切り壁などの解体)」から丁寧に進めていきます。
建具や畳、造作棚を取り外し、職人の手で「土壁」を落としていく
古民家の解体で最初に行う重要な工程が、内部の間仕切り壁や造作材(薄鴨居などの構造に関係のないもの)の撤去です。障子や襖などの建具を取り外し、続いて手作業で土壁を落としていきます。
土壁を落とし、竹小舞(たけこまい)や土を分類しながら集積・搬出していく作業風景。
土壁の下地に使われている「竹小舞(たけこまい)」や縄、壁土などをしっかり分別しながら落としていくのは、非常に手間と時間がかかる作業です。ちなみに飛騨では「竹」でなく「茅」が使われていることの方が圧倒的に多いです。私たちは「へしたじ」と呼ぶことが多いのですが、正式名称はなんと言うのでしょうか。
この作業を丁寧に行うことで、後々の洗浄の工程で手間が省けますし、再利用する大切な構造躯体(柱や梁)を傷つけることもありません。
壁がなくなることで生まれる「圧倒的な開放感」
壁がなくなると一気に視界が開けます。頭上に広がる太い丸太梁の木組みがまさに壮観です。
室内を仕切っていた壁や建具が取り払われると、それまで空間を区切っていた仕切りがなくなり、建物全体に光と風が通り抜けるようになります。
壁が落ちて骨組みだけが現れるにつれ、空間全体の広がりと開放感が一気に増し、ダイナミックな木組みの美しさがより際立ってきました。
この後は内部の完全なスケルトン化に向けて、さらに作業を進めてまいります!
【ミニQ&A】古民家の土壁解体について
- Q. 落とした土壁の土や竹は処分してしまうのですか?
- A. 混ざり物のない純粋な土であれば、解体後の整地で土地に混ぜ込むこともあります。石膏ボードやモルタルなどが混ざっている場合は、処分方法に合わせて分別して搬出します。自然素材100%で作られた昔ながらの土壁は、環境負荷が非常に少なく、古民家再生の現場によっては練り直して左官材料として再利用することもあります。
- Q. なぜ重機を使わずに手作業で解体するのですか?
- A. 移築再生を行う場合、柱や梁などの古材を次の住まいでもそのまま再利用するためです。造作の解体が終わると構造躯体の解体に入りますが、重機で強引に壊すと接合部(仕口や継手)が破損したり、表面に傷がついてしまうため、手壊し(バラシ)で1本ずつ丁寧に解体していきます。
まとめ:伝統建築の構造美をそのまま次世代へ
間仕切り壁が取り払われ、力強い骨組みが見えてくるこの瞬間は、私たち大工にとっても古民家の真価を実感できる非常にワクワクする工程です。
この先も安全第一で、慎重に作業を進めてまいります。次回も解体現場の進捗をお楽しみに!
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